第47章 海水浴Another~家康、政宗、三成~
暗がりの中、蝋燭の灯りだけで
進んでゆく一向
光の全く入らない洞窟は
海水の湿った匂いと、滴が落ちる音
今は四人の砂を踏む足音がこだましているだけだ
「本当にここか?三成」
リオの手を引きつつ
前を歩いている三成に政宗がそう問えば
振り返りもせず
「以前地質調査に来た折りに、偶然に見つけました。あの宿が建てられる以前、この島の事は十二分に調べました故、ここは、偶然に見つけたんですけどね」
「危なくないの?」
不安げにリオが問えば
「リオ様をお連れするのに、その様な場所に連れてゆく筈が御座いません」
にっこりと微笑む
「皆様、もう少しです」
促されるまま歩みを進める一向
「あ、見えましたよ、あの辺りで行き止まりです」