第36章 家康君の憂鬱
「三成の癖にやるじゃないか」
嬉しそうに、政宗さんが眺めて居る
「ちゃんとする事してるって事でしょ、もうこの辺で.....」
帰ろうと促そうとするも
光秀さんに指で制される
「面白いのはここからだ」
最後の階段を登り終えた二人
そこにはまた新たなる立て看板
『お互い思うがままに求めよ
心のままに愛を示せ』
そう書かれていた。
光秀さんの仕業だろうが
余りにも直接的過ぎて、雑すぎて
吹き出しそうになる。
大体ここ神社だし、外だし。
神様の前でそんな事、
罰当たり以外の何物でもない。
この人たまに、大真面目に
ふざけるから堪らない。
今光秀さんの顔を見れば
どうよ、とでも言いたげな
自信満々な顔してると思う。
そんなの見て、笑いを堪えられる
自信が全く持てない。
ぷるぷると肩を震わせ
笑いを堪えてる俺の耳に
「この文字は......光秀様の文字に似てますねぇ....」