第5章 自覚する甘い傷み~家康s~
しん......とした静寂
突如、自分の手の上に、重ねられた温もり
「ごめんなさい、じゃないですね、
何時もありがとうございます、
家康さんが居るから安心しちゃって、
ついつい気が揺るんじゃうんですよね、
何時でも、側で私の事を守ろうとしてくれてるから........」
俺の瞳を覗き込みながら
ふわんとした笑顔でそう告げるリオ
「でも、怪我させてしまった、守れてなんか無いじゃない」
ぽつりとそう呟くと
ふるふると首を横に振り
「あなたの側は何時も暖かかったそれに私が、気がつかなかっただけなんです」
俺が望んでたリオの一番の笑顔で
そう告げてくれる
リオも、俺と同じ気持ちで
居たって思っても良いの?
ふと、思い出す
俺の勘違いや自惚れで無ければ......
「.........ワサビ」
「え?」
「ワサビに羨ましいって。甘やかされてるって」
自惚れじゃ無いって、証明させて。
そんな風に思いつつ、質問を投げ掛けると
はっとした表情の後、
きゅっと唇を引き締めたリオが
頬を赤く染めながら
「ワサビ、に。」
「うん、ワサビに?」
「優しく微笑んで、いいこって.........」
「.......?それが?」
「っ........家康さんにそうされてるワサビが羨ましかったんです!秀吉さんとか政宗さんとかじゃなくて、家康さんにそうされたいんです!!!!」
耳まで真っ赤にしながら、打ち明けてくれた。
やばい・・・・破壊力半端無い
これ想像以上。
自分の頬にも熱が集まってくるのが分かった。
自分の好きな子が、一生懸命に気持ちを伝えてくれる、ワサビにまでヤキモチ焼くなんて
可愛すぎるでしょ
上目遣いで俺を見上げた瞳は潤んでて、恥ずかしさからか、困ったような表情がやけに艶っぽく見える
あんたは本当、心臓に悪いな。
これからも、もっと沢山色んな顔見せて貰うから、もう自分を誤魔化さないから
目一杯甘やかしてあげるよ
緩む頬を我慢して
手当てをし、思いが伝わりあった証しに
唇に口付けると
頬を染めながらも
嬉しそうに微笑むリオ
続きは、後でね