第5章 自覚する甘い傷み~家康s~
「....っん...」
守ってやりたい
こんなにも柔らかく暖かい
俺の大事な人
一度溢れだしてしまった気持ちには、
もう二度と蓋なんて出来なくなってた。
想いを唇に馳せる様に、何度も手首に口付けを繰り返す
「こうされると痛い?」
手首に口付けたまま、視線だけリオに向け様子を伺えば、上気した頬に潤んだ瞳で俺を見るリオ
何て顔.................
「......ぃぁ、痛くは....ないっ.......ンッ」
ぴくりと体を揺らしながら、
俺を振り払うでもなく絞り出す様な小さな声で答えるリオ
かわいー何この小動物みたいな生き物
「いぇ...やす.....さ.....」
名前を呼ばれて、はっと我に返った。
自覚した自分の気持ち
いや、今まで隠してた本音。
大事だからこそ、近づかせない様
近づかない様にしてたのに
無くしたく無いなら
手に入れなきゃ良いんだと思ってた
諦めてしまった方が、気持ちは楽だと思ってたのに、そう思えば思う程
リオの事しか考えられなくなってゆく
自分
とっくの昔から、この子に恋してたんだ。
「...........ごめん」
自分だけの気持ちで、悪戯に触れてしまった事に、やりきれない気持ちになり、唇を離し視線を反らす