第4章 自覚する甘い傷み
「手当て」
そうだった。手当てして貰うつもりでここに来たのに。
「あ、はい」
持ち上げられた腕に、薬を塗り
するすると包帯が巻かれてゆく、
器用で長い彼の指を眺めてると
「リオ」
名前を呼ばれて顔をあげた
きゅっと包帯を巻き終えた家康さんの手が
私の後頭部に触れ、くいっと引き寄せられる
ちゅっ
それは一瞬触れるだけの、優しい口付け
「軍義が終わって、御殿に帰ったら、
他の所も診るから。覚悟してて」
そう告げる彼の表情は、
あの日見たワサビに向けられていた
優しい笑顔。
少し違うのは、瞳の奥に見える扇情的な光
「........はい」
あなたの心に触れられた
お互い同じ気持ちで、通じあったんだって
思っても良いよね?
どんな風に甘やかされるのか
ちょっと怖くて、かなりドキドキ