第3章 甘やかす事の基準
と、突然自分の体がふわっと宙に浮き上がった
「え?ちょっ.....家康さんっっ」
後ろから軽々と家康さんに横抱きにされる
顔!!!!ち、近い!
「じ、自分で歩けますからっっっ」
恥ずかしくてそう言い放つも
「他にも何処か痛めてるかもしれないから。
俺が診るんだし、大人しくしてて。後・・・
ちゃんと捕まって、危ないから」
ごもっともな意見に、反論できる訳もなく・・・・
恥ずかしさをこらえて家康さんの首に左手を回した
「秀吉さん、信長様には軍義に遅れる旨を伝えて下さい」
そう言って、私を抱えたまま、すたすたと歩き出す
残された秀吉は、
とっくに自分の肩に移動して来てたウリを撫でながら
「充分に甘やかしてと思うけどな」
遠ざかってゆく背中に向かって、そう呟いた。