第3章 甘やかす事の基準
今日は軍義があるらしく、
家康さんと一緒にお城に来ていた。
あの日以来家康さんの様子が微妙におかしい。
ワサビと遊んでる私を、影から見てたり、
お針子の仕事中にもやってきて、
暫く何もせずその場に居たり・・・・
観察?されてる?
信長さまにでも、命令されたのかな
気がつけば、家康さんが居るってのは、
全然嫌じゃ無いケドっっていやむしろ嬉しいけど.....
視線がちょっと恥ずかしい
そんな事を考えながら、家康さんの後ろを歩いていたら
「ちょっこら!」
後ろから秀吉さんの声が響いた
反射的に振り向いた私に、飛びかかってくる黒い影
「きゃっ!!!!!」
咄嗟に腕をあげ自分を庇おうとすると、
バランスを崩してしまい尻餅をつく
「アタタタタ......」
「すまん!大丈夫か?リオ」
心配そうに駆け寄ってくる秀吉さん
尻餅をついてる、私の膝の上にはウリ
「もぅ、ウリだったの、びっくりするじゃない」
「すまない、リオの気配を察したのか、突然部屋から飛び出して行ってしまってな、怪我は無いか?」
そう言って、私を引き上げようと手を伸ばしてくる秀吉さん
「ありがと、うん大丈夫....ッつ!!!!.....」
片手をついて、その手を取ろうとした瞬間
ついた腕に痛みが走る
「ちょっと手首捻っちゃったみたい.....」
痛めた右手首をさすると、少しじんとした痛み
あーあ、利き手痛めちゃったな