第22章 Wedge of the love~謙信~※R15※
湯から上がり、身支度を整える
緩めに浴衣を着崩し、以前光秀さんに貰った
麝香の香料を耳の後ろに塗り込める
これは、興奮作用を促す効果があるものらしく
光秀さんには
いざとゆう時に使えって、言われてたしね
きっと謙信様からしたら
私なんて到底子供なんだろうけど
ちょっとは大人っぽく感じて貰えるかな?
よし、と気合いを入れて
謙信様の待つ部屋へと向かう
「謙信様、失礼します」
そう声をかけて、部屋の襖をあける
謙信様は、行灯に火も灯さず
窓を開け放ち窓辺に座って一人お酒を呑んでいた
青白い月の光が謙信様の横顔を照らし
それだけで、絵になるような
幻想的な雰囲気さえも醸し出している
なんてキレイ.......
思わず見惚れていると
どうした?と声をかけられ
はっと我にかえる
慌てて、良いお湯でしたと告げ
持っていた手荷物を部屋の隅に置き
もう一度、自分の心の中で、よしっと気合いを入れて、羽織も脱いで、そこに置く。
やばい、緊張してきた.......
とくとくと妙に早鐘を打つ自分の鼓動
ちょっとは大人に見て貰える様
頑張るって決めたばっかりなのに
深呼吸して、気持ちを落ち着けようとしていると
背後から
こちらに来て、酌をしろ
と、謙信様にそう声をかけられた。