第4章 初夏
その後も一口餃子を食べたり、有名な「TORIMON」を食べたりしながら博多の街を練り歩く。
自分で言うのもなんだけど、ユラも僕も容姿が整っているからか、モーセのごとく道が開けるのがとても面白い。ヴィクトル!なんて声も聞こえるし、僕のことを知らないようだけど騒いでる女の子たちもいる。うんうん、人気があるのは嬉しいね!だけどオフだしカメラばっかり向けられるのもなあ。ユラなんか僕に比べたら一般人だし、多分嫌だろう。帰る?って聞いたら、ヴィクトルが満足したなら帰るけど……。なんて言われた。日本人は気遣いの塊だよね、ほんと。
「あっ見て、勇利が好きそう」
基本的に僕の案内に徹してくれていたユラが初めて立ち止まったのは、ゲームセンターの前だった。すごい大音量で激しい音楽が流れている。彼が指をさしている先には、大きなぬいぐるみが入ったガラス張りの箱があった。
「なんだい?この機械は」
「このアームで中のぬいぐるみを持ち上げて、この穴まで持ってこれたらもらえるゲームだよ」
Amazing!そうか、これがUFOキャッチャーだね!中にはマッカチンをデフォルメしたような、プードルのぬいぐるみが入っている。丸々していて可愛いから、もしかしたらスタンダードプードルではなく、トイプードルを大きくしたイメージかもしれない。
いそいそと100円玉をゲームに投入し、ユラは真剣な顔をしてプレイし始めた。行動が速くない?あと、自撮りしてる時みたいに顔がすごく怖い。もしかして集中するとあの顔になってしまうのかな?
残念ながらアームはぬいぐるみにひっかかったものの、持ち上げることはできずに1回目のチャレンジは終わってしまった。
「俺もやる!」
名乗りをあげるとユラはお金を入れてくれた。あとで返すからね!操作方法を教わって、チャレンジしてみる。
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