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【ユーリ!!!】2人分の1

第4章 初夏


酒が少しずつ体に回るにつれて、勇利が何に悩んでいるかをボロボロ零し始めた。曰く、自分のダメなところをヴィクトルに見せたくないらしい。FSのためのプログラム曲を決める中で、何かが勇利の中でこじれてしまった。そんな難しく考えなくてもいいと思うんだけどなあ。

勇利には度数の高いお酒をちびちび飲ませつつ、自分は最初に少し飲んでからは水を飲んでいる。二人してハメを外せるほど勇利は浮かれた立場にないから仕方ないね。こっそり勇利には見えないように、ヴィクトルへ『勇利はウチに来ています。一晩預かるかもー』なんてメールを送信しておいた。

「ねえ、ユラは僕のことどう思ってる?」
「どうって、なに?これ告白フラグ?」
「は?」
「怖い」

ちょっとふざけてみたらすごい顔された。めっちゃキレてる声だよ!

「……これヴィクトルにもやっちゃったんだよね……」
「えっ?今のブチギレを?」
「うん……。めちゃくちゃドスの効いた声でWhat!?って……」
「ウケる!!勇利のそういうとこ本当に好きだわ俺」
「ウケないで……」

キレたかと思ったら急に勇利は落ち込んでしまった。あーらら。相当面白いし、なんだかんだヴィクトルと打ち解けて来た結果でもあるような気がするんだけど、本当に勇利は気にしいだ。どういう流れで怒ったのか少し気になるけど、また勇利が落ち込んでしまう気がするから問いただすのはやめた。想像はつく、どうせ勇利の触れられたくないやわらか〜いところをヴィクトルがつついたんだろう。

「勇利が勇利なとこ、俺は好いとるけんね」

しょぼくれている勇利の頭をワシャッと撫ぜてそう呟くと、意味わかんない、なんて勇利は顔を背けた。自分で聞いといて答えたら照れるの面白いなあ。男二人で酒を飲んで何故か好きだなんて単語を発さなきゃいけない状況がすでに面白いけれど、片方素面じゃないから許されるだろう。勇利はどうせ俺が勇利のことを一番好きなんてことはとっくの昔に知っているから、これはただの確認だ。

さーーーーーて、なんか照れるついでに眠くなってきたっぽい勝生くんが寝られるように準備準備!!!すごい空気になってしまった!!!もう誰に言い訳してるかもわからないけど、俺と勇利は普通にただの親友である。ただちょっと、その親友が捻くれやすいから、ちゃんと言葉で親愛を伝えなきゃいけないだけで。
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