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【ユーリ!!!】2人分の1

第3章 春


結果だけ言うと、勇利が勝った。
ヴィクトルが審査員だけど、俺の目から見てもユリオの演技はスピンが流れてしまっていたり、曲の表現がまだ甘かったりと少しずつ減点が為されてしまうものだった。でもこれからグランプリシリーズや世界選手権大会に向けて、まだまだ完成度が上がっていく。そうなったらどんな点数を叩き出してしまうのだろう。ワクワクするなー。
一方勇利はしっかり美女になっていた。ちょっと前に勇利がヴィクトルのエロスで男なのに妊娠しそうーとかなんとか言ってたけど、それっぽくなってきている、と思う。逆に女だけど抱きたい!みたいな感じになるのか?とにかくPCSがめっちゃよかった。クワドサルコウを一度ステップアウトしたのは、ちょっと予測できてしまっていた。実は朝の予行でもやらかしてた。知ってた。

勇利の演技の終盤で自分の勇利に及ばないところを自覚したのか、ユリオが視界の端で会場を後にするのが見えたけど、どうしても勇利の滑走を最後まで見届けないといけないので追いかけることはしなかった。もしかしてロシアに帰るのかな、とも思ったけど俺の目は勇利のスケートを見るためについている。許してほしい。優子が追いかけていったから大丈夫だよね、きっと。

勇利の演技が始まる前も、終わった後も、俺は勇利に声をかけなかった。今回勇利はヴィクトルを誘惑するためのエロスを滑ったのだ。表彰式を見届けて、優子に声をかけてから自分の家へ帰った。

ちょうど店に着く頃、ユリオからのメールが1件。ロシア語で書かれていて、写真付きだ。

『俺はロシアに帰る。ラテ本当に美味かったから、また飲みにきてやるからな。Tシャツも、飯もサンキュー。もしお前がロシアに来たら案内してやる。』

下からのアングルで撮影された、サムズアップ付きのユリオの自撮りが添付されたメールにフラグをつけ、とりあえずクラウドにも保存しておいた。めっちゃ可愛い弟のようなものができたぞ俺!!もし勇利がロシアに行くことがあったら、見にいくついでにユリオにロシアの観光案内をしてもらうことに決めて、メールの返信を打つ。

『ナイスアガペー!ユリオのこれからにも期待しています。絶対ロシア行ったらユリオを頼るから、よろしくね』

送信。勇利にも『ナイスエロス!』とだけ送信したら、割とすぐに『ありがとう』とだけ返信が来た。返信が来るだけ珍しいんだぞ、これ。
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