第1章 好きな気持ち
「だからっ...! 僕は小野くん以外の人じゃダメなんですよぉっ...!」
思わず僕と山田さんのお酒を飲む手が止まる。
「ボーイズラブの予感。小野くん、神谷くんになんかした?」
山田さんが急にキリッとした顔で言う。
山田さんのスイッチが入った時の、無駄に真面目な顔だ。
「何もしてません。」まだほろ酔いの僕ははっきりと答えた。
山田さんは少し黙って考えてから、
「って事は、告白だぞ? 小野くん。これは神谷くんからの。ちゃんと受け取って、明日くらいに神谷くんが落ち着いてから、返事をしてあげなさい。」
と言った。
僕はその山田さんの真面目な姿に「はいっ!」と思わず返事をしてしまった。
告白なわけ...
僕は寝てしまった神谷さんの寝顔を見て考えた。