第3章 キス
じゅんじゅんはがっつり顔が見えててわかったけど、
神谷さんは背を向けてた。
でも、神谷さんの後ろ姿を僕が間違えるわけがない。
だからか神谷さんは僕には気付かないままキスをし続ける。
じゅんじゅんは僕に気付くと、出て行けと言わんばかりに僕を睨みつける。
「んん...」
神谷さんは漏れる声で分かるくらい、気持ちよさそうにキスをしている。
僕は、少し悲しい顔をすると、静かにトイレから離れ、その居酒屋自体から出た。
いつの間にか、吐き気なんて収まっていた。
あんなところ見せられて、まだお酒で吐きそう...なんて思えない。
何で、こんな事になったんだろう...。