【ONE PIECE】 淡く、儚い、モノガタリ 【ロー】
第1章 始動。
ローside
* * * *
最初は、ほんの出来心だった。
いや、一目惚れのようなものだった。
『──────っ、』
綺麗な青髪と、深い藍色の瞳。
なのに、似合わないボロボロの服。
まるで、今まで暴力を振るわれていたかのような。
『大丈夫か?』
『……………っ、』
怯えた表情で、俺を見た。
触れたら壊れそうなか弱さに、俺が守らないと、と、そう勝手に感じた。
(コイツ、一緒だ…、)
俺と同じ、『独り』の目だった。
両親が2週間前に死んで、『厄介者』の俺は、ずっと独りだった。
厄介者、つまりは、悪魔の実の能力者。
『俺が守ってやる』
寂しかったんだ、俺も、彼女も。
お互い心に穴があいていて、きっと、誰かの温もりが欲しかったんだ。
『うわぁああぁん』
彼女の泣き声と涙が、部屋に響いて。
俺の分も、代わりに泣いてくれてるみたいだった。
俺は、ぎゅっ、と彼女を抱きしめた。
(何があっても、コイツは、俺が命に代えても守る…)
─そう、決めたんだ─