第4章 第4セット。
「東京から来るなんて」
「控えのセッターなんじゃない?」
「強いのかな? つかマネ美人だな」
体育館の入り口付近で相手高校の会話が聞こえる。私たちもこの高校の名前初めて聞いたんだけどな
「君達の言う ”ヒョロッヒョロのチビ” とは俺達音駒の ”背骨” で ”脳” で ”心臓” です」
なーんてクロ先輩が凄んでたけど
これは、うん、恥ずかしい。
「これより音駒高校対槻木澤高校練習試合を始めます!!」
「行くぞ」
審判をやる子の掛け声と共にクロ先輩達がコートに入って行く。
直井コーチの隣に座ってスコアとメモ帳を用意する。
ドリンクは私がいない間に走くんたちが作ってくれたから大丈夫。
「直井コーチ」
「ん?」
「自信ないのですが・・・」
「あぁ、大丈夫。あいつら強えから」
安心させるように言ってくれる直井コーチだけど違うんだ! スコア間違ってないか教えていただけたらなって話したかったんだよ!!
するとコートの真ん中に先輩たちが集まる。
右手に拳を作り円を描くように丸くなる
「俺たちは血液だ
滞り無く流れろ
酸素を回せ
”脳” が 正常に働くために。」
「行くぞ」 「あス!!」
さぁ、試合開始だ。