第4章 第4セット。
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間近で見る試合は本当に凄かった。
練習とは違って虎の迫力もクロ先輩のしなやかな動きや研磨くんのゲームでしか見せない観察眼。
どれもしっかり見るのは初めてで、
格好良いなって思ってたのに
「その時は覚悟しとけよ烏野ーッ」
「山本うるせえ!!」
上の階から聞こえる虎の声に幻滅する。
いや、だって試合であんなに凄んでて怖かったけどレシーブで正確にセッターに返してたし器用で凄いなって思ってたのに、
「虎は残念だなぁ」
思わず顔をニヤつかせて自販機でアロエジュースを買ってゴクッと一口飲む。
お風呂上がりに冷たいジュースを飲むと体に広がるこのジワーッとするこの感じが好き。
「おっ、タマか?」
「今日はお疲れさま。」
「ありがとうございます! 夜久先輩も海先輩もお疲れさまです。」
お風呂上がりの夜久先輩が肩にタオルをかけてヨッて手を挙げている。その隣でニッコリ笑って労ってくれる海先輩。
「スコアとかマネの仕事大変だったろ?」
「まぁ、大変ですけど先輩たちの試合を近くで見られるのは新鮮でした!」
「よく頑張ったね。」
「ありがとうございます!」