第4章 第4セット。
研磨くん。どこだろう
初めて来た土地に迷子になるのは分からなくもないけど、なぜ団体行動でこうなるんだ。
『研磨から連絡あった! 俺の方が近いから迎えに行ってくる』
すると私のスマホが鳴って画面を見るとクロ先輩と内容が表示されていて一先ず安心する。
『了解です! 体育館戻ってますね!』
グーサインしてる黒猫のスタンプを送ってスマホをしまう。
私も早く体育館に戻ってマネージャーの仕事しないと!って走りだそうとした瞬間
「すいません!」
「え?」
「ここにオレンジ頭の男の子見ませんでした?」
「ごめんなさい。見てないです」
福ちゃんより少し低いかな?
グレーの髪の毛と泣きぼくろが特徴の人に声かけられた。こちらも人を探してるみたい。
「お力になれなくてすみません! では。」
「こちらこそすみません」
ペコっと頭を下げてその場を後にする。
爽やかな笑顔の人だったなぁ。
走りながらそんな事を考えていると先に着いていたクロ先輩と研磨くんに合流して、体育館に居る猫又監督と直井コーチに報告する。