第4章 第4セット。
「おいタマ〜」
「何ですか? クロ先輩」
「研磨が全然構ってくれねぇんだよ」
前の席に座っているクロ先輩が振り返って隣に座る研磨くんの愚痴をこぼしている。
研磨くんはゲームに夢中になりすぎて途中から気持ち悪くなってしまったらしい。もう少しでゲームクリアだったのにってブツブツ言ってるのが聞こえた。
「クロ先輩は研磨くんの看病しててください」
「そーだぞ黒尾、 研磨のためにも静かにしてろ」
「タマも夜っ久んもひでぇーな」
ニッコリ笑ってる夜久先輩と私でクロ先輩を黙らせる。今日はいつもと違って夜久先輩がいるから無駄に絡んでこないから嬉しい。
夜久先輩様々!
と隣に座る神様に心の中で拝む。
「あ、タマ先輩! お菓子余っちゃったんでいりますかー?」
「いる! 走くんありがとー! 」
「いえいえ!」
通路を挟んで斜め後ろにいる走くんからクッキーをもらって頬張る。めっちゃ美味しい
「ハァァアアアッッ!?」
すると通路挟んで隣の席の虎が突然大きな声を出すから車内に座っている人々が一斉に虎の方を見る。
「す、すいませんしたっ!」
顔を真っ赤にして直ぐ立ち上がって謝る虎。
どーしたんだろ?