第4章 第4セット。
新幹線に乗ってる間は隣の夜久先輩とお喋りしたり走くんから回ってきたお菓子を食べたり、楽しんでいるんだけど
やっぱり昨日のことを思い出して俯いてしまう。
結局、昨晩はお風呂から上がって福ちゃんには私の部屋で寝てもらって私は両親の寝室で眠ったんだけど
今日の朝はいつも通りの福ちゃんで昨日は何だったんだろうって余計困惑しちゃって
思わずハァーッと溜め息をつく。
「まだ合宿始まっていねーぞ?」
「すいません、」
夜久先輩が顔を覗き込んで心配してくれる。「初めてだから緊張しちゃって」なんて言ってみたけど本当は気持ちが沈んでるだけ。
「そうか! 体調悪くなったら言えよ?」
ってヨシヨシと頭を撫でてくれるから夜久先輩がお兄ちゃんだったらなぁ、なんて考えていたらちょっと照れくさくて頰に熱を感じる。
「ありがとうございます先輩」
「おう! 大事なマネージャーだからな!」
笑顔が眩しい先輩につられて私も笑顔になる。
今日はマネージャーデビューだし福ちゃんやみんなのためにも頑張らないとな。