第3章 第3セット。
福永 招平 side
危なかった。
本当に危なかった。
湯船に浸かりながら先ほどのことを思い出す。
れいなを庇って覆い被さったけどすごく顔を真っ赤にして見つめてきて
可愛い彼女にキスをされて
ヨクジョウした。
こんな感情が自分の中にあることに驚いたけど、抑え方が分からなくて思わずれいなを強く抱きしめて痛い思いをさせて
でも苦しくて涙目の彼女に
さらにコーフンして息が上がって
痛かったかな。 怖い思いさせちゃったな。
反省して湯船の水面を見つめて肩を落とす。
傷つけたくない
傷つけたくないのに、
汚い自分が見え隠れして
抑えられなくなるんじゃないかって、
顔半分くらい湯船に入ってプクプクと口から空気を送って泡を作って消える行程を見ていた。