第3章 第3セット。
テレビを見ながらウトウトとしてきた頃、リビングのドアが開く音が聞こえた。
「・・・・・」
「おかえり、なさい」
半袖短パンでタオルを首からかけている福ちゃんを見てビクッとしたけど、大丈夫。
さっきのは事故だったんだ、
私が福ちゃんを困らせちゃったから。
「じゃあ私も入ってくるからテレビ見て待っててね!」
「(コクンッ)」
できるだけ笑顔を作って入れ替わるように脱衣所に向かう。
まだ気持ちの整理がついてないから今はまだ顔を合わせて話せないよ。
リビングのドアを閉めるとき福ちゃんが悲しそうに手を振っていて胸がキュッと締め付けられた。
ごめんね、福ちゃん。
今までずっと側に居たのに福ちゃんと喋らなくても分かっていたのに、
今はわかなくて、自信なくて、
「バカだなぁ。」
バカすぎるよ私。
服を脱いでシャワーを浴びながら一人呟く。