第3章 第3セット。
チュッと唇が離れるとお互い目が合う。
福ちゃんは目をパチパチさせて顔をすごく真っ赤にしてキョトンとしてる。
「・・・・・・」
「キス、したかったから・・・」
無言の空気に耐えられなくて顔をそらしながらそんな事を口走った私は恥ずかしすぎて変な汗が出る。
「れいな、バカ」
「えっ?」
「・・・可愛すぎ」
ギューッて力強く抱きしめられる。彼の心臓がすごく早くて私と同じ気持ちなんだって嬉しくなる。けど、
「く、苦しい・・・」
「も少しだけ」
耳元で囁かれてビクッと震える。深呼吸して呼吸を整えてる福ちゃんの吐息が耳に当たるたび体が強張る。
「福ちゃッ、耳やだ!」
「黙って・・・」
より一層強く抱きしめられて本当に苦しくて福ちゃんの声にならないような声で耳がくすぐったくて、羞恥心でどうにかなっちゃいそう。
「れいな・・・」
しばらくして呼吸が整った福ちゃんが抱きしめる力を緩めて私の背中や頭を優しく撫でる。