第3章 第3セット。
「福ちゃんのバカ。」
「・・・ん」
「バカバカ」
恥ずかしくて彼のほっぺに手を伸ばしてフニフニとつまむ。柔らかくて気持ち良い。
「福ちゃん。」
「・・・・・?」
指先で彼の唇をなぞるとキスしたことを思い出して顔が赤くなるのがわかる。
どうしよう。
またキスしたいなんて言ったら引かれるかな。名前呼んだけど何を言ってはぐらかせばいいか分からなくて、詰まってると不思議そうに見つめる福ちゃん。
「あ、えっと・・・」
恥ずかしくて起き上がって福ちゃんに背中を向けて、何を喋ろうか考えていると
「れいな」
ソッと私の頭に手を当てて、よしよしと撫でてくれる。福ちゃんの手があったかくて、心地良くて幸せだなって笑みが溢れる。
「ねぇ、福ちゃん」
頭を撫でている彼の手を片手で掴んで指先を絡めるように手を繋ぐ。二人きりの時は私は大胆だなって自分でも思ってしまう。
「福ちゃんの手好き」
繋いだ手が大きくて温かい。