第3章 第3セット。
「ん・・・・」
ソッと唇が離れるとお互いの視線が交わる。
福ちゃんの顔が真っ赤で、私もさっきからずっと顔が熱い。
「福ちゃん」
「・・・・・・」
「私クロ先輩に感謝してるの、なんだかんだ文句は言ったけど福ちゃんの側に居られるようにしてくれたから、」
「だから、頑張る。」
福ちゃんの悩んでいることはワカラナイけど私は貴方の側に居たいって思ってることを伝える。
すると台所の方からチーズの焼けるいい匂いがしてきた。そろそろグラタンが出来上がるころだから、彼から離れようと立ち上がる。
「れいな」
小さな声で私を呼ぶから俯いている彼に目を向けると、私を見上げて、
「ありがと」
と今まで見たことない幸せそうな笑顔を向けられた。
「ッ!?、」
ダメだよ。その顔反則だよ。。。
心臓を鷲掴みにされたみたいにキューッて痛くなるから慌てて台所に向かってしゃがむ。