第3章 第3セット。
「ねぇ、福ちゃん。」
震えてる彼をそっと抱きしめ返す。なんで震えてるかわからないけど福ちゃんが落ち着くように背中を撫でると少しずつ震えがおさまっていく。
「・・・れいな」
私の手を掴んで自分の胸元に押し当てる福ちゃん。すごいドキドキしてて鼓動が私と同じくらい早くて思わず福ちゃんの目を見てしまう。
「何かあったの?」
「・・・・・」
眉をひそめて困ったような顔をしてるから、彼の頰に手を当てて優しく撫でてあげる。
「・・・・・キス、してい?」
福ちゃんの指が私の髪の毛を絡めて後頭部を固定するから視線がそらせなくなる。
「うん。」
目を閉じて彼の制服をギュッと掴む。
キスってこんなに緊張するんだな。
とか余計なこと考えていると、唇に熱を感じる。
ほんのりとあったかくて気持ちいい。