第3章 第3セット。
「お前も一緒に来るだろ? 宮城に」
「くっ・・・、卑怯者め!」
ニヤニヤするクロ先輩とそれを睨みつける私。という、冒頭に戻るわけなのだが、
「・・・・・・」
なんか期待してる目で見てる私の彼氏。
福ちゃんを使うなんて、使うなんて
「タマさん」 「タマ先輩」 とバレー部員たちがつぶやいている声が聞こえてくる。
そんな中、クロ先輩が咳払いをして頭を掻きながら目線をそらす。
「別にオメェに全て任せる訳じゃねぇから、俺たちだって手伝うし、本当に俺たちのサポートをしてくれるだけでいいから、マネージャーやってくれねぇか?」
・・・ハァー・・
息がつまるような空気の中、私は大きな溜め息をつく。
「遠征合宿の時だけですよ、、、。」
毎日は無理。と付け加えると福ちゃんが私の両手を掴んで真っ直ぐ見つめる。そんな議員みたいな握手をされても。
「よっしゃ、俺にパニーニぃ!!」
とデカい声でクロ先輩が涙をためて一人笑っている。どうやら私がマネージャーをやるかやらないか賭けていたらしい。イラッとした私は
「夜久先輩! 海先輩!」
泣きながら先輩二人に慰めてもらう。
二人の先輩は優しく私を諭してくれました。
クロ先輩のバーカバーカ
結局、私は(遠征合宿の時専用の)マネージャーになってしまった。