第3章 第3セット。
放課後。
GWの合宿を一週間前に控えた現在は私の予定は空白である。いつもなら友達から遊びの誘いがあるはずなのに
「GWは彼氏と仲良くしてなッ!」
と非リア充という友人たちは私を遠ざける。
いや、福ちゃんは合宿だっての。
この嫌味と妬みの祝福を受けながら体育館に向かう。今日は合宿のスケジュールなどを配布して終了だと福ちゃんに教えてもらったから早めのお迎え。
「福ちゃん! 帰ろっ!」
体育館のドアを開けて、愛しい彼を見つけて駆け寄る。久しぶりに陽が出ているうちに帰れるから福ちゃんとお夕飯を一緒に食べる予定だから私はご機嫌である。
「・・・・・(フルフル)」
しかし、福ちゃんは私の袖を掴んで首を左右に振る。まだ帰らないと言っているようで驚いた。
「なんで?」
「・・・・・・「オメェがマネージャーやらねぇからだろ?」
私と福ちゃんの空間をぶち壊すクロ先輩。
と、その他のバレー部員たちが集まってくる。
え? 集団で怖いんですケド、
「嫌と申しましたけど?」
「GWはどうせ暇だろ?」
「何故それを知ッテイル?」
俺が根回ししといたぜ、なんて爽やか風の笑顔で言われた。なるほどクラスの女子達が私を誘いに来ないなんておかしいと思っていたところだ。