第3章 第3セット。
「ナニヲ仰ッているのでスカ?」
「何片言になってるんだよ」
本当に何を言っているんだ。
マネージャーとかそんな王道展開無理だわ! 誰得だよ!
「遠征の合宿ときだけでいい! 俺達の負担を軽減させてくれりゃいーんだ!」
「なぜデス!? 今までだってマネ無しでやってきてたじゃないですか!?」
「見栄張りてーじゃねーか!!」
「巻き込むな!!」
ハッとして時計を見る。クロ先輩は体育だから体操着で体育館は目と鼻の先。でも職員室に用があった私は教室まで遠い。
「じゃ! 先輩体育がんばってくださいね!」
「あ、おい! タマ!!」
ニッコリと笑顔を作ってその場を立ち去る。ちょっと早歩きでクロ先輩との距離をとる。
マネージャーなんて気が利かない私には無理。しかも、ルールも知らないから私が付いて行ってもみんなに迷惑をかけるし。
「ハァー・・・」
深いため息をついて教室に入った。