第3章 第3セット。
福ちゃんから聞いてない私はキョトンとする。
え? そんなこと言ってたっけ?
いや彼とは特に話すことなんてないっけ。
「福永から聞いてないのか? 本当に付き合ってんの? お前ら」
「うるさいですよ先輩。」
当然、付き合っていることはバレー部の人たちは知っているため毎回、特にクロ先輩はからかってくる。
あ、そういや合宿はよくやるって知っているけど今回はなんで?
「なんでわざわざ宮城県なんですか?」
「あー、俺ら音駒とあっちの ”カラスノ” ってとこの元監督が因縁の中らしくてな。あっちの顧問の先生からすごい連絡あったから猫又監督が折れてGWに行くって話になったんだよ」
頭を掻きながら答える先輩は「ゴミ捨て場の決戦だとよ。」なんて言いながらニヤッて笑う。あ、これはクロ先輩楽しみにしてる顔だな。
「そうですか、行ってらっしゃいです。」
「は? タマは行かねぇのかよ?」
「お金ないですし。私部外者じゃないですか。」
「だから、マネージャーとして来りゃいーだろ! そしたら福永とも一緒に居られるぞ」
・・・・・・は?