第2章 第2セット。
クロ先輩に背中を向けて!
ネクタイが見えないようになるべく折りたたんで! 声は小さめに話していたはずなのに!
「そんな顔しなくても」
不機嫌丸出しの私にクロ先輩が突っ込む。
誰だって貴方に言われたくねって思うわ。
「クロ先輩ってデリカシーないから彼女できないんじゃないんですかー?」
「そういうタマはお喋りだから福永に好かれないんじゃないんですかー?」
「お黙りください。 その頭刈り取りますよ」
クロ先輩の丸坊主なんて絶対似合わない。太鼓判押せるレベル。想像して笑いが込み上げる。
「ぷっ・・・・」
「オメェ、自分で言ってウケるなよ」
「だって、面白っ、くて!!」
隣にいる福ちゃんも俯いてフルフルと肩を震わせているから、きっと内心笑っていると確信する。
「おい、オメェら後で覚えとけよ。」
なんてクロ先輩が言うから「即刻忘れさせて頂きますね。」とニッコリと笑ってやった。
それから福ちゃんとクロ先輩は着替えに部室に向かう。私は体育館からそのまま教室へ向かった。