第2章 第2セット。
「お〜、やっとるなぁ」
「しアス!!!」
声のしたドアの方を見ればお爺ちゃんが居て、バレー部員は全員挨拶をする。猫又監督だ。
「おはようございます猫又監督。朝、黒尾先輩の連絡でご存知だと思いますが子猫を預けに来ました。」
「おー、知っとる知っとる。タマキさんだったかね?」
「玉木れいなです。改めてよろしくお願いいたします。」
何度かお会いしたことはあるけどちゃんとした挨拶は今日が初めてで、しかも急に子猫を預けたいなんて図々しいって思われてもいるかもしれない。
「放課後、子猫ちゃんたち引き取りますね!」
「取りに来ないのはダメだからな。」
「そんな悪い人間に見えますか?」
目を開けてニヤって笑う監督に思わず生意気な事を言ってしまう。この人は分かってて言ってるんだろうなって感じずにはいられなかった。
「そろそろ、終わりにすっぞー。」
「うぃーッス」
クロ先輩の声で皆一斉に片付けを始める。
バレーの片付けっていつも大変そうだなって見ているとネットを畳んだ大きなハーフくんがこちらに近づいて来た。
「ちわッス! 俺は灰羽リエーフ! もしかしてマネージャー希望ですか!?」
めっちゃキラキラした目で見てる。
てかデカイな、首痛くなるわ。
「絶対、マネージャーなんてやらない。」
きっと私の目はまた遠くを見つめてる。
何を言ってるんだ灰羽リエーフよ。