第2章 第2セット。
この時間がずっと続けばいいな。
なんて悠長なこと言ってられない。
私の心臓がドキドキしすぎて破裂しちゃう。
彼の朝練に間に合わなくなる。
「福ちゃん。もう・・・・」
離れないと と諭す。しかし、がっちりとホールドされた腕を解こうとするけど日頃から鍛えている彼から離れることなどできず。
「福ちゃん。いい加減に「れいな」
肩に乗っけてる頭の方に顔を向けると
少し頰が赤く染まった彼と目が合う。
「好き」
彼の顔が近づいてくる。
思わず目を瞑ってしまう。
「え? ふ、福ちゃ・・・」
「・・・・・」
コツンッとおでこに熱を感じるとすぐ顔が離れる
優しい笑みを浮かべる彼にさらに心臓が高鳴っている。
「そ、ろそろ部活だよ?」
「(コクンッ)」
と頷いて彼はエナメルバッグを持ってバイバイって手を振っている。
「いってらっしゃい!」
玄関で彼を見送るとそのまま座り込む。
え、え、え、?
頭の中がパニックでパニックしてて、思考が追いつかなくて心臓だけが速くて苦しい。