第2章 第2セット。
あぁ、胸痛い。
胸を押さえて深呼吸する。
グツグツと鳴る鍋にうどんを入れて明太子をレンジで温める。どんぶりに昆布つゆと生卵を入れて茹で上がったうどんと絡める。
そして解凍した明太子とネギを乗せて完成。
「お待たせ! ごめんね福ちゃん。」
二つのどんぶりと箸を持ってリビングに向かう
食べよって彼の目の前にうどんを置いて、彼の空になったコップにお茶を注ぐ。
「これも食べて! 昨日作ったの!」
冷蔵庫から里芋の煮っころがしを出す。
福ちゃん、そんな目をキラキラさせなくても、、、
嬉しくて頰がほころぶ。
二人食べる準備が整うとお互い手を合わせて「いただきます」って私は言う。彼はペコッて頭を下げる。
「・・・・・?」
食べてる途中、福ちゃんがキョロキョロと辺りを見回す。時間はもうすぐ夜の9時になりそう。
「お父さんもお母さんも居ないよ? この間話したじゃんよー!!」
四月から父は単身赴任で大阪へ、母は観光ついでについて行ったから帰ってくるのはGW明けって言ってた。
福ちゃんは思い出したのか、納得したように頷くとまたうどんを食べすすめてる。
「福ちゃん。」
「・・・子猫の飼い主はやく見つけないとね。」
”好きな人いる?”なんて聞けない私。
臆病な私。