第1章 第1セット。
帰宅してソファでゴロゴロしながら昨日録画した”ユキトーーーーク!!”という雪上がり決死隊の番組を見る。
お笑いは好き。
福ちゃんと唯一、一緒なとこ。
本当は福ちゃんと見たかったけど部活に本気で取り組んでるから面倒臭いことは言わない。
だってあんなに頑張ってる福ちゃん見たことないから。
バレーの試合は一度だけ見たことある。
3年生が引退してすぐの練習試合で梟谷学園と戦ってる時、福ちゃんのレシーブすごく上手でびっくりしたのは覚えてる。
それから、意識してなかった福ちゃんに心を持っていかれるのはあっという間だった。
「お風呂はいろ」
気持ちが落ち着かないからお風呂に入ってゆっくりしよう。
浴室に向かおうと起き上がるとスマホが振動した
誰からだろーって、ソファに腰掛けてトーク画面を開くとクラスの男子からで、
『タマちゃんって彼氏いるのー?』
って唐突に質問してくるクラスでも有名な男。
いわゆるチャラ男ってやつ。今年こそ100人斬りと豪語している彼。
『彼氏いないけど、お前とは無理』
絵文字もなければスタンプなんて送ってやんない私はこいつのことが大嫌い。