第1章 第1セット。
「ごめん・・・・」
「クロさんが探してたぞッ!」
「あー、ごめん虎! 私が研磨くん引き止めちゃったから!」
研磨くんの背後から近寄ってきた虎は練習着に着替えていてもうすぐ練習が始まろうとしてるのに申し訳ない気持ちになって、たまらず謝る。
「え、あ、玉木のせいじゃ、ねぇよ・・・」
しどろもどろに何故か虎が答えてる。
「でも、私のせいだからクロ先輩に今度何か奢りますって言っといて! 研磨くんにも何か奢るから!」
じゃーねっ、と虎の言葉を無視して2人にはやく体育館へ行ってもらうために今度奢ります宣言して手を振って教室に戻った。
2人の足音が遠退くのを聞いてからカバンに明日提出する課題や教科書を数冊入れて帰宅した。