第1章 第1セット。
「えー、いやー、、あー、、、、」
「言葉に詰まりすぎだぞタマ子よ」
普段見せない私に満面の笑みで顔を覗き込んでくる三人。
「タマが恋してるなんてねー」
「タマ子、春来たる」
「そろそろ終わりそうだから行くよ!!」
春が来たってそりゃ桜咲いてる季節だから春だわってツッコミを入れたくなったがバレーの試合がそろそろ終わりそうだから、無理矢理話を遮って逃げるようにコートに入った。
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その後、バレーで私たちのチームは全戦全勝し気持ちの良い汗をかいた。
制汗スプレーや汗拭きシートで臭いが教室内に充満する中
本日最後の授業を寝ないで今のところ乗り切ってる私。
誰か褒めてと言わんばかりに周りを見渡せば体育で疲れたのか寝ている奴らばっかで、虎も爆睡してた。
後でクロ先輩に言いつけよう、なんて密かに思っていると時計の針が授業終了まであと5分と示していた。
あと5分かー。
これからカラオケだなー、何歌おうかなー、とこれから始まる放課後に心を踊らせていると鐘が鳴り響いた。
それを合図に目を覚ます人、帰りの支度をする人、
先生と交代で教室に入って来た担任の先生に「今日の連絡事項なし! 解散!」と短い挨拶で各々、教室から出て行くクラスメイトたち。