第8章 カスタードに塗れたお人形
「お待たせー!」
「おせぇぞC組」
図書室には私たち以外のメンバーが
既に全員揃っていた 早くね?
まだそんな時間経ってないんだけど
「めんごーめんごー」
「さっさと座れ。…で、今日の部会だが。
椎、昨日青学と立海に
行ってきた結果はどうなった」
「んっとねー。丁度この時期テスト期間
みたいなんだよねウチも含めて。
基本の授業もテスト勉強ばっかりに
なるから合宿自体はいいらしいんだけどー」
テニスばっかりになって
勉強を疎かにされると困るわけよ、と
ウチにもいる何名か怪しい奴を見渡す
「おい!なんで俺を見るんだよ!」
「さぁなんででしょう」
「合宿中も勉強時間の確保は必須って
いうことですか?」
「ザッツライト」
「なんちゅー発音の悪い…」
「うるさい丸眼鏡ほっとけ。
で、その勉強に関してなんだけどー…」
部会を着々と進めていると
図書室の扉が開く音が響いた
先生か急ぎの返却に生徒が来たかと
思って扉の方を見ると
「ちっ、なんなんだあの女」
「今日ウチのクラスにきた転校生だわ」
あっれー私ちゃんと言ったのになぁ
どう考えても急ぎの用事なんか
無いでしょ何しに来たんだ
転校生は私たちの方をちらっと見たあと
すたすたと本棚の方に行ってしまった
え、ほんとに何しに来たの?
本が読みたきゃ近くに市立の図書館あるから
そっち行ってくれよ
「氷月先輩言わなかったんですか」
「言ったっつーの!」
「まぁまぁ。初日なんだし邪魔さえ
してこなければいいんじゃないかな」
「…まぁいい。椎、続きは」
「あーえっと。各学校の各教科担任に
だいたいの教科書ページのテスト範囲を
聞いてきてもらうことにした」
「そこを事前に勉強するっちゅーわけか?」
「それだと少しばかり心配だからね。
私が皆に聞いてきてもらったテスト範囲を
元にテスト対策プリント作るっていう
方法でいいかなーと。
おい日吉なんだその目は」
「氷月先輩が作ったプリントとか
不安しかないです」
「予想通りのことキッパリ言ってくれたな
お前はよォ!!!」
「余計点数が下がりそうです」
「くそ失礼な後輩だよ」
一応先輩なんですけど
そこのとこわかってくれてます?
絶対分かってないなぶっ飛ばすぞ