第8章 カスタードに塗れたお人形
「椎は意外に頭いいから大丈夫だろ。
俺はわりと安心だけど」
「さすが宍戸ちゃん!意外は余計かな!」
「椎ちゃんは必ず順位1桁だもんね。
俺も大丈夫だと思う」
「へぇ…」
宍戸や滝が言ってくれているのに
日吉は全く信じる気が無さそうだ
友達にもよく詐欺って言われるけどな
誰が詐欺だどんな詐欺だ 誰得だ
「まー自分で勉強できる人はいーよ。
不安な人。各学校に必ずいる。
そういう人の為っていう名目がでかい」
「椎先輩大変なんじゃないですか?」
「んーそうだな。2年のはちょっと
不安だから樺ちゃんに助けてもらうかも」
「ウス…。手伝います…」
「ありがとう!!!」
この案は跡部的にもOKらしい
良かった あとはこれで細かい所を
決めていけば早めに部活に入れるかな
「ちょっと」
背中から声をかけられて思わず驚く
声をかけてきたのは転校生、皆川さん
え、話しかけてきちゃったよ
ほんとになんなのこの人
「あん?なんだてめぇは」
「ここは図書室よ。本を読むところ。
騒がしくするのはマナー違反よ。
お喋りは他所でやってちょうだい」
シーン…とした空気 カムバック
めっちゃデジャヴだよこの感じ
やっぱりウケ狙いなのかと思ったけど
真面目な顔してる
ガチで言ってるとしたらわりとやばい人?
「いや…SHRで部会をやるから
急ぎの用がある人以外は利用を控えてって
私、言ったんだけど」
「さっきから煩いのよ貴方たち。迷惑だわ」
「聞けよ人の話」
なに?さっきの話も聞いてなかったの?
耳ある?あるねピアス空いてるね
そんなのどうでもいいんだよ
「椎ちゃん言い忘れたん?」
「言ったっつってんだろ!!」
「椎は言ってたぞ。俺聞いたし。
ジローは…寝てたか」
「邪魔してんのはお前だろ!帰れよ!」
「なに?人様に不快な思いをさせておいて
逆ギレ?これだから低俗な庶民は…」
「んんっ」
やっべちょっと笑っちゃった
低 俗 な 庶 民 っ て な に !?
え、お嬢様?ツンツンお嬢様キャラなの?
ここに本物の坊っちゃんいるけど大丈夫?
こんだけ人がいて
自分がおかしいこと言ってるってことに
なんで気が付かないんだろう
すごいな大物かよ