第7章 ロリポップキャンディーで殴って
「お待たせ致しました」
「あ、どうも…ありがとうございました…」
そんなスピードの車に乗ったこと
あんまり無いんですけどね
初体験でしたありがとうございます
あ、幸村くんに電話忘れてた
プルル…
『着いた?』
出るの早ぇ
『あ、はい。到着しました』
『赤也送ったから一緒に来て』
『赤也くん?待ってればくるのk』
「椎せんぱぁぁあーい!!!」
『来ました』
あ、切りやがった
「赤也くんわざわざありがとう」
「椎先輩!!お久しぶりっす!!」
「うん相変わらず元気そうで」
「俺に会いに来てくれたんすか!!!」
「合宿の要請です」
赤也くんに会いに来る理由がないしな
あ、しょげちゃった
なんだろう犬の耳と尻尾が見える
こんなにワンコだったっけ
「ほら。幸村くんとこ行かないと」
「あ!!
早く行かねぇとメニュー増やされる!
椎先輩早く早く!!」
「ちょ、走る必要なくねぇ!?」
そのまま手を引っ張られ全力疾走
お前の足の速さと私を一緒にすんな
足がもげるぅううう!!!
*
「やぁ椎!いらっしゃい」
「っ、はぁはぁ…どうも、はぁ…」
まじで息しにそうだし
足がブチ切れるかと思った
よく生きてるよ私
「で?合宿の要請?」
「そうで…はぁ、ちょっとまって。
喋れ、ねぇ…」
息が整わねぇしんどい
何回か深呼吸してたらコートから
選手がチラホラこっちにやってきた
いやお前ら練習しろし
練習中に来たのは申し訳ないけども
「早かったな氷月」
「どーも。あーやっと落ち着いた」
「氷月が水を欲しがる確率89%」
「分かってんならくれよ水」
見たら分かるだろっていうツッコミは
自重しといてやる
から、水をくれ 喉がやばい
「そんくらいの走りで息が上がるとは
たるんどるぞ氷月」
「お前らと一緒にすんな!!
こっちは大して運動なんてしてねーわ」
「丁度いい運動でよかったじゃない」
「丁度いい運動にしてはハードすぎる」
「椎も運動しないと
丸井みたいになっちゃうよ?」
こいつ部員のこと遠回しにデブって
言いやがったよ失礼か
…丸井くんはブタみがあるけども