第5章 可愛いあの子にクッキーを
正門前、正門前…
ありました
無駄に高そうな黒塗りの車
車の種類とかよく分からないけど
高級感は伝わってくる
アレに乗るのか 緊張するわ
「椎様ですね。
お待ちしておりました」
「すみません、宜しくお願いします」
「景吾様のご命令ですので。
どうぞ。お乗り下さい」
車に乗る時にドア開けてもらうなんて
初体験もいいとこだよ
いいんですよ運転手さん
私なんかに気を使わなくて!!
ドアくらい自分で開けれますし!!
「あ、ありがとうございます」
「ではまず青春学園に参ります。
宜しいでしょうか?」
「よろしいです!」
座ってもなお緊張が途切れない
この微妙な無言の空気…
めっちゃくちゃ苦手なんですけども
とか言ってる場合じゃないか
資料もらったんだから
着く前に目通さないと話が進められない
資料とはいうが分かりやすいように
1枚でまとめているところが流石というか
なんというか
字も細かすぎず見やすいようになってる
これ跡部が作ったのか
樺ちゃんが作ったのか
この書き方は跡部かなぁ
さてさて日程は…
再来月の第3月曜から日曜までの1週間、ね
…1週間!?なっが!!!
え、授業どうする気なの!?
1週間丸々授業受けられないって
置いていかれるの間違いないぞ
大丈夫な奴は大丈夫だろうけど
既に今の時点でやばそうな奴はどの学校にも
いそうな気がするんだけど
先生許してくれるのかな
そのへんは要相談か
場所は、長野県にある合宿場
聞いたことないと思ってググッたら
最近出来たばかりの新館らしい
そんでもってやはり跡部財閥の私有地
うん!!知ってた!!!
知り合いの所の方が
みんな気兼ねなくていいのかもしれない
後はなんの目的があっての合同合宿か
それによって何を得るか
などが書いてある
これは先生向け
軽く頭にいれておけばいい
練習メニューも各学校の監督や主将と要相談
練習試合は必ず取り入れる、と
セオリー通りの合宿なようで安心
とりあえず青学ついたら手塚くんと
スミレちゃんに話してみればOKかな