第4章 欲しいのは君よりストロベリー
昼休みになっても
跡部は眉間のシワはとれていなかった
本当なら今日は屋上で
食べる日ではないのだが
何故か椎から全員一緒にいろという
連絡がきたため、急きょ集合
…その連絡が俺にきたので
跡部は更に苛ついていると忍足に言われた
が、俺はどうすればいいんだよ
「椎は今頃クレープかぁ。いいなー」
「椎ちゃんいないと俺、寂Cんだけど~」
「いつもの賑やかさがないよね」
「甘いもんの為に全力で生きすぎやな」
「それが椎先輩ですよ!」
その場にいなくても
これだけ話題になる椎はすげぇ
ただ椎の名前が出る度に
跡部の表情が怖くなっていくのに
皆は気づいてないのか…?
「にしても皆一緒にいろ、なんて
なんなんですかね」
「あいつの考えてる事はわかんねーや!
あー!!椎がいねぇとお菓子足らねぇ!!」
「購買で買うてきたらええやん」
「今あんま金ねーもん」
岳人の言葉を最後にシーン、と静かな
空気が流れた
いつも騒がしい奴が1人いないだけで
違和感が忙しない
今頃椎は幸せそうにクレープを
頬張っているんだろうか
両手持ちで…有り得そうだな
明日、跡部から雷が落ちそうなものだが
アイツが後先考えないのはいつものことだ
あー…なんか俺も甘いもん食いてぇ…
「待たせたな!!!!!」