第4章 欲しいのは君よりストロベリー
「今日は跡部かよ」
「せや。原因は分かっとるやろ?」
「椎だろ?
アイツ今日休みだもんな」
昨日は椎の機嫌が悪かった
と言っても拗ねているだけだったが
今日はその椎が休みのせいで
跡部の機嫌がかなり悪い
喋りかけられないほど
多分、今喋りかけたら寿命減るくらい
睨まれる気がする
「なんで休みなん?」
「昨日食えなかったクレープを
今日買いに行ってるってきてたわ」
「チッ。あの女。
部長の俺に報告を怠りやがって…」
でも椎が休みなだけで
なんでここまで怒ってんだ?
確かに学校や部活を休んだりする時は
監督と跡部に報告とは言われてる
たまに忘れることがあっても
普段ここまで怒ったりしないはずだけど
虫の居所でも悪かったのか?
「あほ。そんなん決まってるやろ。
跡部は自分に言われるより
宍戸に言うたのが悔しいねん」
「は?なんで俺?」
「…あー?忍足、妙なこと言ってんじゃねぇ。
舐めた理由で学校を休んでることに
俺は苛立ってんだ」
「椎ちゃんが休みやと
つまらんもんなぁ?」
眉間のシワが増えていく跡部と
楽しそうにケラケラ笑う忍足
よくあの跡部をからかえるものだと
関心してしまうくらいだ
口では言い表せないような
とんでもないオーラが出ているのだが
「樺地!!行くぞ」
「ウス」
「あーあ行ってしもたわ」
「忍足がおちょくるからだろ…」
人殺せるんじゃねぇかっていう目で
睨まれたのになんで笑えるんだコイツ
「椎ちゃんことになると
跡部ほんまおもろいわぁ」
「え?つーかなんで椎が俺に
言ってきたら悔しいわけ?」
意味がわからない、と首を傾げると
逆に忍足に同じような顔をされた
「え?は?なんその質問。
本気でしてるん?」
「本気だろ。だって報告を怠ることに
腹立たしいっていうのは分かるがよ。
悔しいってなんか違くね?」
「…宍戸も大きなれば分かるわ」
「同級生だろ!!!」