第2章 きっかけ
放課後、昼に騒動を起こしていたボニーとキッドは生徒指導室に強制連行された。
そして、自分のせいで2人が喧嘩するきっかけを作ってしまったと申し訳なさを感じていたレイハは、1人教室で2人が帰ってくるのを待っていた。
「ったくてめェのせいでひどい目にあったぜ!」
「喧嘩ふっかけてきたのはてめェのほうだけどなクソギャル」
廊下から何やら争いの声が聞こえてきたので、レイハはガタッと椅子から立ち上がった。
ガラガラと扉が開き、かなりやつれた様子のボニーとキッドが入ってきた。
やはりキッドのオーラには冷や汗をかかないわけにはいられない。
「…お、レイハ待ってたのか」
「うんっ…ごめんね、私のせいで、あの…」
「いや、どう考えてもコイツのせいだろ。レイハは悪くねーよ」
ボニーが舌打ちしてキッドを睨みあげると、キッドもボニーを睨み返し、バチバチと火花が散った。
(な、なんでこんなに仲悪いんだろ…)
レイハは、あはは…と愛想笑いをして、場を和ませる。
するとボニーが、あっ。と何か思い出したようにレイハの方を向き直った。
「ごめん、レイハ。ウチ今日バイト入ってたのにこのバカのせいで遅くなっちまったし、ソッコー帰んねェといけなくて」
「え!大丈夫?間に合う?」
「まぁちょっとくらい遅れても大丈夫だけど、とりあえず行くわ。そこにあるガソスタだから間に合うと思うけど」
じゃ!と言って、ボニーは自分のバッグを肩に担いで風のように過ぎ去って行った。
(…ん?なんだろ、なんか悪寒が…)
(!!!!)
ボニーが去った教室には、キッドとレイハが2人、取り残されていた。