第3章 消えない恐怖
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そして、球技大会当日。
つなぎ高には指定ジャージなるものが無い為、皆それぞれ自分で準備してくる決まりだ。
ボニーは黒のスポーツブラに、膝が隠れるくらいの丈のショッキングピンクのバスケパンツといった格好だ。
引き締まったくびれと少し筋のある腹筋がとても綺麗で思わず見とれてしまう。
レイハは白を基調としたスポーツTシャツに紫のハーフパンツといったなんとも地味で控えめな格好で、周りの派手な雰囲気から逆に少し浮いてしまっている。
「レイハ…おめェ、腹くらい出せよ」
ボニーがグイッとレイハのTシャツの裾を掴んでまくりあげようとする。
「…!?!?ちょっ、ダメダメダメダメ!!!!」
「なんでだよー!気合いだろ気合い!!」
レイハは顔を真っ赤にしながら必死に抵抗するが、ボニーは楽しそうだ。
「ぉいユースタス屋、トーナメントのジャンケン誰が ーって、何ボーッとしてんだてめェ」
ふいにローに声をかけられハッとして振り向いたキッドだが、時既に遅し。
ローはキッドの視線の先に目をやると、ははーんと目を細めニヤリとしながらキッドの肩に片腕を回した。
「見とれてんじゃねェよ、変態野郎」
「っは!?何も見てねェよ!ってかてめェ!気安く見てんじゃねェよ!」
キッドの慌てた様子にローがプッと吹き出す。
「おまえ、、それじゃ見てたって言ってるようなもんだぜ」