第2章 きっかけ
「あぁ?ンだよクソギャル」
振り返ったキッドの鬼の形相はボニーに向けられたものなのだが、自然と背筋が凍った。
「はぁっ!?誰に口聞いてんだてめェ!ぶっ殺すぞ!」
キッドに腹を立てたボニーがダンッと椅子の上に立ち上がって、今にも飛び降りてドロップキックをかましそうな勢いだ。
「上等だコラ」
キッドもキッドで、凶悪な顔をさらに凶悪にし、カレーパンを片手に立ち上がる。
周りの輩たちは「いいぞ、やれやれ」という雰囲気だしもう手に負えない。
レイハがキッドにお礼を言う機会を、ボニーがつくってくれたはずだったのだが、結局ボニーとキッドの喧嘩に発展してしまった。
もうレイハは、オロオロするしかなかった。