第2章 きっかけ
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「えっ、キッドが?あいつそんなんできる奴だったんだな」
「…うん。お礼言いそびれちゃって」
昼休みに、カフェオレをストローですすりながらボニーに今朝の出来事を打ち明けた。
なるべく近くにいるキッドに聞こえないよう、声を潜めて。
ボニーはコンビニで買ったらしいカツ丼弁当やらサンドイッチやらを頬張っている。
…この体のどこにそんな量が入っていくのだろう。
「そんなもん一言言えば済む話だろ。サンキューって」
「あ、まあそうなんだけどね、何というか見た目も怖いし、周りに仲間もたくさんいるから緊張しちゃって…」
ーまあ、理由はそれだけではないのだが。
「ふーん。じゃあウチが呼んでやるよ。」
「えっ、ちょ、まっ「おいキッド!」
間髪入れずに、ボニーがキッドを呼んだ。
(お、終わった…)