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死神に教わる甘え方。【R-18】

第5章 12月17日【あと7日】


「私の話を聞いてってば!あんた、どこに隠れるつもり?電車内で堂々と猫を抱っこできる訳ないでしょっ!?」

黒猫の姿から、再び人の姿へと戻る。

「確かにそうですね……」

誰にもバレないように……となると。

「アクセサリーになったらいいんじゃない?」

「え?」

「猫になれたんだから、アクセサリーくらいなれるでしょ?んー……そうね……ネックレスがいいかな」

今は冬だから、ブレスレットだと服に隠れて見えないし。となれば、やっぱりネックレス。

「いいですね!それでは、ネックレスになりますね」

広げていた両手に現れたのは、小さなハートのネックレス。チェーンとハートは金色をしていて、すごく可愛らしい。首元につけて、トイレから出る。

あ、でもちょっと待って。

「ねえ、あんた喋れるの?」

「はい。話せます」

「なら良かった。あんたが行きたい場所、どこか教えて。私が歩かなくちゃだめなんだから」

「あなたが働いている青葉中学校の隣にある、喫茶店です」

私の働いている中学校の隣の喫茶店?
ああ、そういえばあるけど……誰かが働いているような気配なんて全くないし、てっきり看板だけなのかと思ってた。というか、がーみんがどうしてそこに行きたいのかな……。

「分かった。そこに行けばいいのね」

なら、次の駅で降りないと。
もう少しで乗り過ごす所だった。

**********

【死神side】

今、気付いてしまった。

ネックレスになったのはいいけど……。

彼女との距離が近すぎる!!
距離が近いどころか、ゼロ距離じゃん!
なんかいい匂いするし……もうちょっとで見えそ……いやいやいや、オヤジかよ!

「……もっと別のが良かった……」

「何か言った?」

「っ!い、いえ!何も!」

彼女はどうも無防備すぎる。
俺だって一応男なのに。一つ屋根の下で暮らしてるんだ。少しくらい警戒してほしい。あからさまに警戒されんのはやだけどさ。

その鈍さが可愛いんだけど。
というか、"どの彼女も"変わらないな……。

あーあ。
これが惚れた弱みってやつか。
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