第5章 12月17日【あと7日】
「え!?ど、どうしたんですか!?俺、また何かっ」
「ううん、何でもないの。ただ、なんか色んな感情が奥からぐわって込み上げてきて抑えられなくなっただけ」
今日は一日休みだ。
何をしようか。
死神とお出かけとか?森下先生、見えてなかったみたいだし。
「朝ご飯、出来てますよ」
「はーい」
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【死神side】
元気よく返事をした彼女が寝室からリビングに駆けていったのを見送ってから、その場に膝をつく。
「っ……う、ぐっ………」
落ち着け。
今度こそ成功させるから。
まだ、いける。
《もうやめなさい。もう私の力も────》
「うるさいっ!」
もうすぐなんだ。
あと1週間なんだ。
今度こそ成功させる。
これで終わりにするから。
《でもあなたの体がもう限界でしょう?》
いいや。
まだいける。
これくらい、何ともない。
《嘘を言わないで。運命を変えることが出来ないということは、あなたが一番よく知っているでしょう?》
俺は認めない。
そんなの、認めない。
「だから、もう少し眠って」
まったく、何て残酷な神なのだ。
そして、何て心優しい神なのだろうか。
せめて、あなたにもっと強い力があればもっと簡単なのに。なんて、望みすぎだろうか。
運命の日まで、あと7日────。