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死神に教わる甘え方。【R-18】

第4章 12月16日【あと8日】


【死神side】

彼女が家を出たのを確認してから、大きなため息をつく。朝ご飯に手を付けて完食はしてくれたものの、どこか怒っているような面持ちだった。

「昨日のこと、怒ってる……とか?」

朝の挨拶とか素っ気なくしすぎたのかな……。
でも!
そりゃあ俺だって昨日のことをかなり気にしてる訳で。申し訳なく思ってる訳で。だから、緊張してしまうのも無理ない訳で。

なんて、全部言い訳か。

彼女に一つや二つ、隠し事があったって別におかしくはない。今までだってそうじゃないか。だから、変に深入りするな。

また立ち直れなくなるのは俺なんだから。

**********

「椎名先生、おはよう」

「っ!?は、はいっ!おはようございますっ!」

肩を叩かれ、反射的に身構えてしまう。相手が森下先生だと分かったのなら、なおさら。

「ございます?」

「え、あっ………おはよう」

確かに同い年だ。同期だ。
でも、昨日の今日でいきなりタメ口っていうのはなかなかハードルが高い。それに、昨日の……こ、こここっ、告白っ……

「顔真っ赤。寒いから?それとも……昨日のこと、意識してる?」

耳元で言われ、肩がびくりと跳ねる。

「ふぁっ!?ここ、学校!廊下!ストップ!」

距離が近付いた森下先生を両手で押しのけ、ばれないように深呼吸。

「ごめんって。椎名先生って、何かある度に俺に牙を向けてくる印象が強かったので、そんな可愛らしい反応が出来るんだなー、ってからかいたくなっちゃったんです」

森下先生のからかった様な口調に少し、むっとする。

私だって女だし。
告られたの初めてだし。

そりゃ意識……とか、しちゃうもん。

こんなこと言ったらもっとからかわれそうだから、口が裂けても言わないけど。
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