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死神に教わる甘え方。【R-18】

第2章 12月14日【あと10日】


「今すぐ夕飯の準備をするので、くつろいでいてください」

「私もする」

あっ、と思った時には遅かった。
死神の表情がぴしゃりと凍りつく。もっとも、仮面のせいで口しか見えていないが。

「今朝の約束、もうお忘れですか?」

「や、その、覚えてます」

だったら分かりますよね、と私を見つめる。その居心地の悪さに私は思わず目を逸らす。

「……だって、落ち着かないし」

ごにょごにょと口ごもりながらの言い訳。大の大人が見苦しいのは承知している。だが、今ならお菓子を摘み食いして親に咎められた時の子供の気持ちがよく分かる。

「だめです。慣れてください」

私を甘やかせたいと言う割にはスパルタだ。容赦がない。大体、今更人に甘えることが出来るのだろうか。

「返事は?」

「…………はーい」

よろしい、と死神が頷く。


どうも、彼は食えない人だ。
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